英語学習アップデート(2007年2月分)


 この英語学習アップデートでは、英語の勉強に関する最近の情報をお出しして、
英語を勉強されている皆さんに少しでもお役に立ちたい、と考えております。


英文法のエッセンス(その1)

 2月度は、「英文法の勉強のしかた」を取り上げました。


なぜ、英文法が必要なのか?


 英語を勉強する人にとって「英文法を勉強するかどうか」は、頭を悩ますところ
です。

 結論からいえば、英語を使う(会話であろうと、読書、作文であろうと)ために
は、英文法は必要不可欠です。理由は、英語という言語(日本語の場合も同様です
が)を読み、書き、聞き、話すためには、英語表現に必要な単語、文の使い方がど
うしても必要だからです。
いうまでもありませんが、英語の文法は日本語の文法とは異なります。特に、単語
の並び方については、主語を除けば、まるで正反対の順に並んでいます。たとえば、
英語を訳すときには、主語の次には、英文の後ろのほうから訳していくと、日本語
の表現になります。したがって、英語で表現するときに、英単語を、日本語のよう
な順番に並べてしまっては、英文の形になるわけがありません。

 したがって、英語を使いたいならば、英文法の勉強は避けては通れません。

 ところが、町の英会話学校では、英文法を教えるところは少なく、会話パターン
を暗記することに重点をおいているところがほとんどです。また、外人が講師の場
合は、英文法は当然の前提として英会話だけを訓練するところがほとんどです。な
お、英会話よりも英語力そのものを教えるところもあります。これは、英語の試験
(学校受験、TOEICや英検など)対策を目的とする学校といえるでしょう。

 このような状況に対して、英文法をどのように勉強したら良いのでしょうか。


英文法の勉強のしかた(最も効果的な勉強法)

 一番のお勧めは、英文法を教える学校に通うことです。しかも、英会話学校で英
文法を教えているところに通うことがベストです。しかし、このような学校は、当
スクールやごく一部のスクール(「専門的な英語学校」)を除いては、ほとんど見
当たりません。

 英文法を教えてくれるところに通わないとすれば、あなた自身で英文法を「自学
自習」する他ありません。

 それでは、「自学自習」をするとして、どのような方法が考えられるでしょうか。
あなた自身が、「英文法学習書」で勉強するほかありません。私(当スクール代表、
伊藤弘昭)は、これまで、英会話のための使える英文法に関するいろいろな参考書
を見てきました。



英文法の勉強のしかた(自学自習の場合)

 日本人が書いた英文法学習書は、大きく分けて、次の2つの種類が売れているよ
うです。一つは、英文法ルールを解説したものです。これが、更に2つの種類に分
かれています。簡単な文法事項を説明して例文を暗記するもの、と、解説内容が細
かいものです。もう一つのケースは、簡単な英文モデルを暗誦するもの(文法事項
に応じて)です。私は、これらのいずれも、あまりお勧めしません。その理由は、
前者の説明中心のものでは、後に述べるように、問題練習のパートがほとんど無い
ために、英文法の知識はついても実際に使えるようにはならないからです。また、
後者の場合、モデル例文の暗記程度では、やはり、実践的な訓練としては不十分だ
というのが問題です。

 日本人が書いた文法学習書に対して、外国人が書いたものには、さすがに優れた
ものがあります。アメリカ人やイギリス人の編集者や著者は、外国人に対する英文
法指導経験が豊富なせいでしょうか、簡単な文法事項解説に加えて相当多くの練習
問題による学習を課することを忘れません。現在、日本で手に入るで代表的なもの
としては、後で述べる「エイザーシリーズ」と「マーフィーシリーズ(ケンブリッ
ジ出版)」があります。このいずれを勉強しても、使える英文法が勉強できること
と思います。私(伊藤)個人としては、米語を扱い、そして、米会話で必要な会話
に関する情報が非常に充実している「エイザーシリーズ」の方をお薦めしています。



英文法のエッセンス(その1)

 この「英語学習アップデート」では、英文法の詳細は、エイザーシリーズに譲り
ますが、英文法を学習するにあたっての基本的な考え方、英文法理解のためのヒン
トを中心に、ある程度細かい内容をお示しすることにします。

 さて、今回のテーマは、英文法を理解するために最低限必要なこと(「英文法の
理解のコツ」)と、文法学習で最も大切なベースとなる「文」の考え方、そして、
「文」の中でも中心的な役割を果たす「主語」についてです。


英文法の理解のコツ

1.文法用語を覚える


   文法は、単語や文についてのルールです。このルールを理解するためには、
  ルールのための定義(決まっていることがら)を覚える必要があります。野球
  を例にとれば、ピッチャーの役割、ピッチャーがやっていいこと(たとえば、
  けん制球)、いけないこと(たとえば、ボーク)を知る必要があります。文法
  であれば、単語の役割(品詞)、単語の使い方、文をつくる場合の単語の並べ
  方など、がこれにあたります。このために必要なのが、文法用語なのです。
   文法用語には、大きく分けて、単語に関するもの(品詞)、文の構成に関す
  るもの(単語は単語でも、文中の役割に応じて「主語」「述語」など)があり
  ます。単語に関するものとしては、名詞、代名詞、動詞、助動詞、形容詞、
  副詞、接続詞などがあります。また、文に関するものとしては、主語、述語、
  句、節、短文、複文、重文、目的語、補語などがあります。

2.文法ルールを実際に使ってみる(または、問題練習をする)

   文法の知識は、あなたが、英文で表現して初めて生きるものです。したがっ
  て、文法を理解した(ただ頭の中で分かった)だけでは足りません。文法事項
  を使えるようにトレーニングしなければならないのです。

   文法は、実際に単語や文が使えて初めて、真の意味で「理解した」ことにな
  るのです。このため、文法を勉強する場合には、文法事項の説明や例文を読む
  だけでなく、問題練習をたくさんやったり、文章をたくさん読んだり(多読、
  速読どちらでも)しなければなりません。一部の学習指導者は、例文暗記を勧
  めるようですが、私の経験から、これはあまりお勧めしません。その理由は、
  例文を暗記したとしても、他の内容の文を読む場合には、応用が利かないから
  です。英会話のパターン例文についても同様です。

   文法の参考書は、先に述べたように、「エイザー」のシリーズをお薦めして
  います。このシリーズは、文法事項の説明の分かりやすさ、網羅性、問題演習
  の多さからいって、日本で利用できる英文法の本としては、出色のできばえの
  ものです。エイザー本の利用については、くわしくは、私の著書「辛口英語勉
  強法」をお読みください。

   なお、英文法を勉強する場合には、常に、「文というものは、どのような構
  成になっているか」ということを意識する必要があります。というのは、文法
  事項が非常に多岐にわたるため、一つ一つの文法事項を勉強していると、どう
  しても、局部に目がいってしまい、大きな形(「文」のことです)を忘れしま
  う恐れがあるからです。したがって、(たとえば名詞を例とすれば)、「名詞」
  という単語の働きを勉強する場合は、名詞が、文の中では、主語になる場合、
  目的語や補語になる場合、形容詞のように他の名詞を修飾する場合があること
  などを、常に意識しておくようにしましょう。このように考えれば、名詞が、
  文中のどのあたり(文の構造上)にあるかが分かるようになります。



英語学習上の「文」という考え方(特に、「英会話」学習において)

  「英語を使うこと」とは、英語の「文」を読み、書き、聞き、話すことです。
  特に、英会話において、この「文」という考え方は重要です。

   最近の英会話学習の潮流は、英会話に出てくる(特に、「話す」という)
  「文のパターン」を暗記することを重視するタイプが非常に多くなっています。
  ところが、この「パターン暗記」というのが、クセモノなのです。「パターン
  暗記」では、「文」の要素を意識しないことが問題なのです。すなわち、その
  パターン文の暗記では、主語は何なのか、その主語がどういう形で、述語であ
  る動詞がどうなるか、が意識されません。それでは、応用が利きません。英会
  話では、相手が話す内容によって、あなたが考える内容を「文」という形で、
  瞬時に表現しなければならないのです。

   私は、スクールの英語の授業(初級者には英会話の基礎作りが中心)の初め
  は、次のように、説明します。

   英語を使う(読書や英語を聞くこと、そして、特に英で会話をする)には、
  「英文という形」を考えなければなりません。もちろん、英文には決まりきっ
  た表現はあります。この決まりきった表現(すなわち、{おはよう」とか「は
  じめまして」というような特定の表現パターン)」は暗記することは必要です。
  しかし、このような表現はそれほど多くはないので、声に出して繰り返し暗記
  すれば良いのです。また、「英文を考える」ことは、それほどむずかしいもの
  ではありません。まず初めは、「主語」と「動詞」という、文の2つの構成要
  素を考えれば良いのです。これから始めましょう。

   あとは、主語、動詞から、順序良く「英文法」の要素を勉強すれば良いので
  す。



文の構造について(個別の文法事項の理解の前に理解すべきこと)

まずは、具体例をお示しします。

    I bought my puppy at a pet shop in Funabashi last year.
     (訳)私は、昨年、船橋のペットショップで子犬を買いました。


   この文を分解すると、次のようになります。

    主語(「I」、私は)

    動詞(「bought」、買った、buyの過去形)

    動詞の目的語(「my puppy」、私の子犬を)

    単語のかたまり(*注)で副詞(動詞を説明する) (「at a pet shop in
      Funabashi」、船橋のペットショップで)

    単語のかたまりで副詞(動詞を説明する)(「last year」、昨年)
    
    *注)単語の「かたまり」のことを、文法の用語では「句」といいます。
      この場合、「副詞(動詞を説明する)」の働きをする「かたまり」
      のことを、英文法では、「副詞句」といいます。


   英文は、上記のとおり、「主語」「動詞」いう順に始まります。ただし、
  「主語」は、必ずしも英文の一番前にあるわけではありません。日本語と同
  じように、「昨日、映画を見ました」などという表現の場合、「昨日」とい
  う言葉は、普通は、英文の末尾に置かれますが、「昨日」ということを強調
  したい場合は、文の初めに置かれることもあります。

   そして、その次にくるものは、「動詞」の意味によって、「目的語(動詞
  の働きの対象となるもの)」が来ます。
   たとえば、「買う」という場合には、必ず「何を」買うかが分からないと
  意味が通じませんから、その「何を」にあたる「目的語」が必要となります。
  例文でいえば、「子犬」がそれにあたります。
    *注)動詞は、目的語の他の単語が必要な場合もあります。
      たとえば、「My name is Sato Akira.」という場合の「Sato Akira」
      は、「is(be動詞、〜である、という意味)」の目的語ではなく、
      be動詞が不完全な意味なために、これを補うためのものです。この
      ような単語の種類を、英文法では、「補語(動詞を補う、という意味
      )」と呼びます。この「補語」という言葉は、「動詞の目的語」と違
      い、英語学習の初心者にはむずかしいので、これ以上の説明は、ここ
      ではいたしません。

   次に、「副詞(動詞などの言葉の意味を説明する言葉)」が来ます。例文で
  は、「at a pet shop in Funabashi(船橋のペットショップで)」、と、
  「last year(去年)」がこれにあたります。前の「at a pet shop in
  Funabashi」は、場所について説明する「副詞句」です。後の「last year」は、
  時間(タイミング)を説明する「副詞句」です。
   この「副詞句」が2つの場合の順番は、日本語であれば「いつ」そして「ど
  こで)となりますが、英語では、「どこで」の方が先に来ますので、ご注意く
  ださい。
    *注)英文では、この「副詞(句)の順番」になるのは、「細かいこと」
     から「大きいこと」へという順が原則だからです。これは、英文の構造
     上の大きな原則です。したがって、このようなケースが、他の場合にも
     見られます。「英語感覚」というものがあるとすれば、英文のこのよう
     な性質を直感的にとらえることができるような感覚といえるでしょう。

   以上が、単語が文中で並ぶ原則です。

    ただし、文によっては、副詞が文の初めに来たり、動詞の前に来たりする
  こともありますが、当面は、「この例が原則である」を覚えておけば良いでし
  ょう。
   なお、これは、単なる「説明用」の構造だとお考えください。この他にも、
  示そうとすればいろいろな形がありますが、分かりやすさを考えてお示しする
  ものですので、「これさえ覚えれば良い」というものではありません。

   
主語(*1) + 動詞 + 動詞の目的語(*2) + 副詞(*3)

   
    *1)文には主語が必要です。主語がなくて動詞だけの文として、「命令
       文」があります。
       

    *2)動詞の意味によって、動詞に目的語が必要な場合と必要ない場合と
       があります。たとえば、動詞が「眠る」という意味なら、目的語は
       不要です。その反対に、動詞の意味が、「何々をどうする」という
       もの(例えば、買う、手に入れる、など)ならば、その「買う」
       とか「手に入れる」という動詞の目的となるものが「目的語」とな
       るわけです。

    *3)この場合の副詞とは、動詞の状態を説明するような働きをします。
       例えば、動詞が「手に入れる」という意味であれば、「早急に」と
       いう副詞が考えられます。 なお、副詞には、動詞に固有なもの
       (先の場合)以外に、いつ(時間的なタイミング)、どこで(場所
       の表示)などの一般的な表現が必要な場合があります。この場合、
       日本語ならば、「いつ」、「どこで」という順序になりますが、英
       語の場合は、「どこで」の方が「いつ」よりも先に表示されるが普
       通です。


    英文法では、上記のような「文」の形についてのルールを、「基本5文型
   」を呼び、これには、5つのタイプに分けます。この「基本5文型」を理解
   すれば、英文の構造が分かるといわれておりますが、私の考えでは、英語学
   習の初級レベルの人にとってはむずかしいものと思われます。なお、私の著
   書(「辛口英語勉強法」)では、動詞を中心とした「基本5文型」の説明を
   しております。

    *注)「命令文」という例外を除いて、文には「主語」が必要です。主語
      がなければ、「文」とはいえません。同様に、動詞がなければ「文」
      とはいえません。

    *注)前置詞句の副詞句としての表現方法は、前置詞の用法と併せて理解
      すれば、英文の理解について非常に有力な方法を身につけることがで
      きます。余談ながら、高校1年生用の教科書の文章は、かなり複雑で
      すが、この副詞句および形容詞句の使い方に慣れていると、あとは単
      語量さえ確保すれば、読みこなすことは、かなり容易にできるようで
      す。


   
参考《文の構造要素としての文−文の中にあるさらに小さな文》
     英文の要素は、単語や単語のかたまり(句)以外にも存在します。「文
    そのもの」が文の構成要素として存在します。これを「節」といいます。
    この節には、次のようなものがあります。なお、これらの説明は、それぞ
    れの文法用語のところで説明します。

     「節」の例
       @名詞の働きをする「節」(通常「名詞節」と呼ばれるもの)
         I think that you are right.
          (訳)あなたは正しいと私は思います。
          *接続詞(that)で導かれる名詞節の例
       A形容詞の働きをする「節」(通常「形容詞節」と呼ばれるもの)
         peple who are staying at the hotel
          (訳)そのホテルに滞在している人々
          *関係代名詞で導かれる形容詞節
       B副詞の働きをする「節」((通常「副詞節」と呼ばれるもの)
         When you meet Mr.Ito, please say hello to him.
          (訳)そのホテルに滞在している人々
          *接続詞で導かれる副詞節


   
参考《英文の構造単位について》
     私たち日本人が英語を勉強する場合、日本語の構造単位(「単語」)を
    イメージしたままだと、英文の構造単位がなかなか見えてきません。この
    ことが、日本人が英語を勉強する場合のむずかしさの大きな一因となって
    います。
     日本語は、単語(名詞、動詞、形容詞など)と助詞(いわゆる「てにお
    は」)が主要な文の構成単位となっています。ところが、英文は、単語の
    他に、句(単語のかたまり)や節(先にあげた文の構成要素としての文)
    が文の主要な要素となります。これは、(日本語でも同じ表現はあるにし
    ても)日本語と英文との大きな違いとなっています。しかも、前置詞、関
    係詞など、英文法に特有の性質があるため、簡単には理解して使えるよう
    にはなりません。そのため、英文法を勉強することがどうしても必要にな
    ってくるわけです。



「主語」について

    以上が、「文の構造」についての説明です。
   次に、文の主要素の一つ(私は、文の主要素を「主語」と「動詞」とに分け
   て説明します)である「主語」について説明します。


「主語の構造」について
 
    主語の構造の具体例をお示しします。

     
事例1(主語に飾りがほとんどつかない場合)

      
you (名詞の代わりに使われるもので代名詞です。他に、I, he, she,
          theyなどがあります。代名詞は、通常、他の単語無しで主語に
          なることが多い)

      
a boy ← a(冠詞(*1))+ boy(普通名詞(*2))
       *1)冠詞:名詞の前につく。「一つの」という意味がある。
       *2)普通名詞:固有名詞(後述)や代名詞(後述)以外の名詞
          an apple(*3)
       *3)母音(a, i, u, e, o)で始まる名詞の前には、aではなくan
         がつきます。

      
the apple(*4)
       *4)既に説明されている名詞を、「その」という意味合いでつける
         冠詞(theは定冠詞と呼びます)

      
apples(appleの複数形、*5)
       *5)普通名詞では、通常冠詞がつきません。ただし、*4のような場
         合は、the applesとなります。

      
people(*6)
       *6)a, anはつきません。また、複数形にもならない名詞の一つです。
         これは、この単語が「人々」という複数形の意味を表すものだか
         らです。ただし、theはつくことがあります。
         なお、動詞との関係では、常に複数形として扱われます。

      
peace(*7)
       *7)「平和」という意味の言葉です。これは、「抽象名詞(抽象的な
         もの、を表す名詞です。意味上、複数形にはなりません。

      
the sun(*8)
       *8)「太陽」という意味の言葉です。通常theがつきます。「唯一の」
         という意味から the がつけられます。

      
Japan
      the United States of America(*9)

       *9)国の名前は、theがつかないもの(これが大半です)とつくもの
         があります。

     
事例2(主語の前に飾りがつく場合)

      
a nice lady
       a nice young lady(*10)

       *10)lady(名詞)が主語の本体で、niceおよびyoungは、名詞を飾る
         形容詞です。名詞には、複数の形容詞がつけられることがありま
         す。形容詞の種類によって順番があります。

      
my son(*11)
       *11)my は、代名詞(I)の所有格で「〜の」という所有の意味をあら
         わすものです。この代名詞の所有格(他に、your, his, herなど)
         がつく場合には、冠詞のうち、a や an はつきません。

     
事例3(主語の後に飾りがつく場合)

      
a lady in a black dress(*12、黒いドレスを着た女性)
       *12)in a black dress は、前置詞(名詞の前におかれる言葉。名詞
         と一緒になって「句」を形成し、形容詞や副詞の働きをする)で
         導かれる単語のかたまり(前置詞句)です。この例の場合は、
         lady(名詞)を飾る形容詞句となり、名詞の後ろに置かれます。
         これは、他の前置詞句に共通する扱いです。次の例も同様です。
         
       students in Japan(前置詞句、日本の学生)

     
事例4(主語の前と後に同時に飾りがつく場合)

      
a nice lady from France
       beautiful lakes in Swiss(*13)

       *13)これらは、英文では当たり前に見られる表現です。慣れれば、
         それほど難しいものではありませんが、英語学習の初心者には
         なかなか理解できない表現かもしれません。この程度の表現は
         中学2年生用教科書に頻繁にでてくるものです。

    *注)以上の表現は、「主語」の表現としてお示ししましたが、英文のも
      もう一つの重要な要素である「目的語」および「補語」の表現として
      も使われるものです。したがって、英語学習の初めのうちに、これら
      の表現に慣れておくことは非常に有効であると考えられます。
    

「主語になれる言葉」について

    さて、「主語」とは、「文」の中の位置関係を指す言葉です。実際に、こ
   の「主語」になる言葉には、次のようなものがあります。

    主語になる言葉の種類:    
       代名詞、名詞、および、名詞に相当する単語および文

   まずは、代名詞から見ていきましょう。


「代名詞」

    代名詞とは、名詞の代わりに使われるためのものです。

    本来は名詞を先に説明するのがいいのでしょうが、代名詞を先にもってく
   るには、わけがあります。それは、英語学習者にとって、教科書で出てくる
   初めの主語になる言葉で(昔はまったくそうでした。しかし、現在の教科書
   は、挨拶の決まり文句や単語そして、その後で、I'm Taro Yamada.あるいは
   Nice to meet you.がきます)なじみがあること、また、英会話を勉強した
   いという初心者には、やはり、「私」「あなた」「これ」「あれ」といった
   表現が簡単でとっつきやすいことがあるからです。さらに、先ほど、主語の
   具体例のところで見たとおり、通常の名詞は、いろいろな表現や付属物があ
   るため、なかなか取り扱いがむずかしいこともあるでしょう。そのようなわ
   けで、代名詞が先にくることが多いのです。

  
「代名詞」の種類
    しかし、一見簡単なように代名詞には、いろいろな種類があるのです。通
   常、「私」「あなた」の人称代名詞(人に対するものという意味です)や
   「これ」「あれ」などの指示代名詞(指し示すという意味です)が主要なも
   のですが、この先にある代名詞には、取り扱いがかなりむずかしいものが、
   けっこうあります。中級者以上の人にとっては重要かつ必要なものですが、
   ここではあえて取り上げないことにします。

  
「代名詞」の具体例と「主語として」以外の使い方
    代名詞以外の名詞の取り扱いはそれほどむずかしくはないのですが、代名
   詞は、主語として以外の使い方に特徴があります。それは、所有する形や
   目的語(動詞の目的語となるだけでなく、前置詞の目的語になる場合でも同
   様)や補語になる場合に、形が変化することです。こういえば、何かむずか
   しそうですが、それほどではありません。次の表現をみれば、ほとんどの人
   が思い出すものです。

      代名詞    主格(*1)  所有格   目的格(*2)
       私        I        my       me
      あなた     you       your      you
      彼        he        his       him
      彼女       she       her       her
      それ       it         its        it
      私たち      we        our       us
      あなた方    you        your     you
      彼ら       they       their     them

     *1)代名詞で、この「主格」と呼ばれるものが、文の主語になりま
       す。「格」とは、「〜になれる性質」のようなものと理解してお
       いてください。

     *2)代名詞の「目的格」は、文の中で「動詞」の働きの対象となる
       場合と。「前置詞(名詞の前に置かれることば、という意味)」
       の目的語になる場合があります。後者については、「形容詞」の
       ところで説明する予定です。


「名詞」

    「名詞」とは、「形のあるもの」や「形のないもの」について、人間がつ
   けた「名前」のことです。

   
名詞は非常に多く存在します
      人の名前、国や行政区分の名前、山、海、川、土地などの自然に人間
     がつけた名前、ありとあらゆる動植物や生物につけられた名前、道具・
     機械などの人工物の名前、平和・正義など宗教・政治・哲学に関する考
     え方についての名前、法律で作られた抽象的な概念、そのほか、人間が
     文明として作り上げたものや認識したものなどのあらゆる物事の名前が
     あり、現在でも、ありとあらゆる人間活動に関する名前が作られつつあ
     ります。これらすべてが名詞というものです。


   
「名詞」の種類

      
「普通名詞」  

        数えられる名詞: りんご、鉛筆など、個数で数えられるもの

        数えられない名詞: 
           バター、水など、固体、液体、気体の類
           似通ったものの集合体(家具、宝石、お金)
           抽象的な考えを表す名前
             (美、助け、幸福、学問で使う用語、自然現象など)
                  
      
「固有名詞」  
        
        国名、都市名、地名、山や川の名前、人の名前など

             
   
「普通名詞」の性質

       
数えられる普通名詞

        @単数扱いの場合
            一つのものを表す場合、a, an が、名詞の前につく。

        A複数扱いの場合
           「複数扱い」の場合に表示が変化する。

              通常の変化  末尾にs, es などが追加される
                    (例)a desk → desks

              個別の変化 表示がまったく変わる名詞
                    (例)a mouse → mice

       
数えられない普通名詞(集合名詞や集合名詞の場合など)
        
        @共通の性質
            数えられないため、当然ですが、「一つの」を意味
            する a, an がつかない。
     
        A単語によって「単数扱い」または「複数扱い」がある

           「単数扱い」となる名詞
             (例)peace, furniture が有名なケースです。
               peace は、抽象名詞(性質上)の代表例で、
               furniture は、集合名詞(机、テーブルなど
               総称)の代表例です。

       *注)会話や文章では、上記の区別にかかわらず、同じ名詞を再び
         使う場合は、「その」という意味で、the という定冠詞がつき
         ます。

   
「固有名詞」の性質

       
表示の特徴

        @文字の先頭は大文字で表すのが原則である。

        A固有名詞には、原則として、不定冠詞(a, an)はつかない。
          (例外) a Honda → ホンダの車

        B定冠詞(the)がつくものとつかないものがある。

          (定冠詞がつく例)
           The United States of America, the Mississippi River
            *注)自然物を表現する場合、海・砂漠・川のように
              境界がはっきりしているものには the がついて、
              そうでないもの(湖、島、公園など)には the が
              つかない、とされるようです。
               (例)the Sahara, the Arctic sea(北極海)
                  Lake Michigan, Hyde Park

          (定冠詞がつかない例)通常の地名、人名、国名
           Tokyo, Paris, London, Funabashi, Chiba
           Suzuki Jiro, Sato Michiko
           Japan, Korea, France, Mexico

           
「名詞に相当する単語および文」

   以上が「名詞」についての説明です。
  ところが、この「名詞」以外の言葉でも、「名詞」と同様に、文の主語、目的語
  補語になるものがあります。英語は、なかなかやっかいのものです。

  
「名詞」のようなものの代表例

    次のようなものがあります。

     「動名詞」 動詞が変化して「名詞として扱われるもの」です。
        (例)walk → walking (歩くこと)
           see → seeing(見えること)
           look → looking(見ること)

     「to 不定詞」 動詞の前に to をつけると「名詞」として扱われる場合
           です。
        (例)walk → to walk (歩くこと)
           see → to see(見えること)
           look → to look(見ること)
          *注)この「to 不定詞」は、「名詞的用法」の他に、
           「形容詞用法」、「副詞的用法」があります。(説明省略)
          *「to 不定詞」を使った代表的な文例を示しておきます。
            To see is to believe. (百聞は一見にしかず)

     「関係詞節(関係代名詞や関係副詞によって作られる文の要素(*注)」
         ここでは、説明を省略します。
         日本語でいえば、「誰々が何々したことは、どうである」と
         いうような、文そのものが主語や目的語になる場合です。
         *「関係詞節」以外にも、文の要素を作ることばは存在します。
          たとえば、疑問詞や接続詞などがあります。

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