サンフランシスコの青い空

 ダウンタウンのバスターミナルからトランク2つを押して坂道を登る。歩く狭い歩道の上に工事の足場のたよりなく細い鉄製フレームがある。このフレームが途切れた時、突然目に飛び込んできたのがサンフランシスコの青い空であった。

 生まれて初めてアメリカの土を踏んだ。初夏のサンフランシスコの空があった。これから2年のアメリカ生活への期待と不安をもって。1980年初夏のことである。

この時から、サンフランシスコの青い空は、私にとって永遠の情景となった。

  「また帰ってくるならどこに帰るか」と問われれば、迷いなく、「サンフランシスコのあの青い空の下」と答えるだろう。世界中で、私が帰りたいのは、あの青い空の下である。そして、ダウンタウンのケーブルカー乗り場近くの木漏れ日の風景も。


 それから、何回サンフランシスコに戻ってきただろうか。一昨年(2004年)10月終わりが最後の「帰郷」であった。そして、あの「青い空」と「木漏れ日の風景」は、相変わらず、そっけない表情で、私を迎えてくれた。また、あの「青い空」の下に戻った。

これが、私が英語が使えて良かったことの1つです。  
                                             サンフランシスコダウンタウンの写真